「NHKを見てないのに、どうして受信料を払わなきゃいけないの?」と一度は思ったことがある方が多いのではないでしょうか?

NHKの受信料を払いたくなかったけど、自宅に訪問員が来て契約を迫られ、契約をしてしまった・・なんて人もいらっしゃるかもしれません。

そもそもNHKの受信料は払わないといけないのでしょうか?
一度契約してしまったら解約することはできないのでしょうか?

そんなNHK受信料にまつわる疑問をご紹介します。

NHKの契約と受信料の仕組み

NHKの契約には大きくわけて2種類あります。

「地上契約」と「衛星契約(BS)」の2種類で、これはユーザーである私たちが任意で選ぶのではなく、設備によって変わってきます

地上波しか見れない設備しかなければ地上契約となり、衛星放送も見ることができる設備があれば衛星契約となります。

しかしながら、そもそもなぜ他の放送局は無料なのに、NHKは受信料がかかるのでしょうか?NHK以外の民間放送局は、スポンサーからの広告収入で運営しているため、無料で見ることができるようになっています。

それならば、NHKもスポンサーを付けて運営すればいいのに・・・と思いますよね?
ですが、NHKはそもそもスポンサーのような企業や国から独立した放送組織として作られたものなんです。

NHKはどの様に設立されたのか

NHKに受信料があるのはNHKの成り立ちに関係するので、簡単にご紹介します。

NHKの正式名称は日本放送協会と言い、1950年に設立されました。NHKが出来る前は、NHKの前身組織である「社団法人日本放送協会」がラジオ放送をしていたのですが、この組織は、戦前は大日本帝国の支配下にあり、国に不利な情報を一切流さず有利な情報ばかりを流していました。

戦後、GHQの民主化のすすめにより放送法が誕生

しかし戦後、GHQのマッカーサーにより放送制度の民主化がすすめられ、放送法という法律が作られました。この放送法により民間企業による放送事業参入を認めると同時に、NHKは日本国政府や企業等から独立した、国や企業の圧力に屈しない組織として新しく作られました。この際、これまであった国や企業とのしがらみをなくす方法が、支援(=お金)を受け取らないという方法でした。

そして、受信料制度が誕生

しかしどこからも支援がないとNHKを運営することができません。そこで考えられたのが放送の受益者である国民から費用を徴収し運営していくという「受信料制度」なんです。
このように、国民から受信料を徴収する代わりに、国民にとって有益な情報を提供していく、放送を公共の福祉に適合するように発展させる組織としてNHKは作られたんです。

放送法というのは、NHKや放送事業者の規律に関する内容が定められている法律なのですが、この中に受信料についての定めがあります。それが以下です。

放送法64条(受信契約と受信料)とは?

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

つまり、「協会(=NHKのこと)の放送を受信できるテレビなどの受信設備を設置したら協会と契約をしなければならない」という内容です。

NHKはこの法律に基づいて受信料を徴収しているんです。

協会との契約は必要不可欠なの?

しかしながら、「ただし」以下の部分に注目すると、
「ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」とあります。つまり、「受信目的ではない受信設備を設置した場合は契約をしなくてもいい」とも言えます。

これを逆手にとって、「テレビがあっても受信用ではない(例えばゲームをするだけだから等)から契約をしない」と言うこともできなくはないですが、そうはいっても、テレビを設置する人の中でテレビを全く見ないという人はほとんどいないと思うので、多くの方はNHKと契約をする必要があると言えます。

放送法の中に罰則規定は明記されているのか

この法律には、契約しないとどうなるのかという罰則規定が書かれていません。なので、「契約をしなければ受信料を払う必要がない」と思う方もいるかもしれませんが、これについては過去に以下のような最高裁の判決があるのでご紹介します。

「テレビがあればNHKと契約を結ぶ必要がある」というNHK受信料の支払契約が強制される放送法は憲法違反にあたるのでは?という裁判があり、「放送法は合憲である」と最高裁が判決を下しました。

最高裁は、テレビがあれば契約する義務ありと判断

NHKとの契約については、ユーザーが契約しなくても「契約の受け入れを命じる判決が確定した時点で契約が成立し、テレビ設置時に遡って受信料を支払う必要がある」とされました。要するに、裁判が必要にはなるものの、テレビを設置しているのであればその設置日に遡ってNHK受信料を支払う必要があると判断されたんです。NHKの契約を仮に拒否したとしても「NHKに裁判を起こされたら負ける」ことになります。

テレビの設置日に遡って受信料の支払い義務が発生

もう一つポイントがあり、「NHKとの契約日は裁判によって契約が成立した日からではなく、テレビ設置日に遡ってNHK受信料の支払い義務が生じる」という点です。

実はNHKの受信料には時効が設けられており、5年で時効を迎えるのですが、この判決ではNHKが受信料を求めることができる権利はテレビ設置日まで遡れるとされたので、仮にテレビを設置していながら10年間未契約であれば、10年分請求される可能性もあるということなんです。

NHK解約はできる?

では、NHKと受信料の支払いについて一旦契約をしてしまったら、契約を解除することはできないのでしょうか?結論から言うとf解約することは可能です。ただし少し面倒なので覚悟は必要です。

以下に解約の手順をご紹介します。

1. NHKのコールセンターに電話をする
2. 解約の用紙を送ってもらう
3. 記入して郵送する

電話をして解約の用紙を送ってもらって記入して返送するだけなら簡単!と思いますよね。しかし実際は、そんなに簡単ではないんです。

解約をしようと電話をすると、まずは「受信できる環境にある限り、解約は行えません」と言われてしまいます。

受信契約を解約するためには「受信設備の廃止など」が必要条件になるんです。つまり家にテレビがある限りは解約手続きはできないということです。テレビを廃棄もしくは譲渡してテレビが家になければ解約できるのですが、テレビがないことを伝えても、その証明を要求されます。

テレビを売った時の領収証や廃棄した時のシール、譲渡した場合は譲渡先の連絡先などが証明になるのですが、これらのように証明するものがない場合は、専門部署の人が直接訪問をして本当にテレビがないか確認しにきます。

テレビがないことが証明されれば解約届を書いて提出すれば良いのですが、実際にはなかなかNHKから解約届が送られてこないなんてこともあるようです。

つまり、自宅にテレビがない状態、もしくはテレビが壊れていて受信できないという環境であれば契約解除は可能ですが、受信できない状態というのを証明する必要があるということです。

テレビを一切見ないので解約したい場合は?

ちなみにですが、「テレビは持っていても一切見ないので解約したい」というのは通用しません。受信料の契約は受信設備の有無がポイントになっており、使用の有無は問わないんです。

たとえ使用しなくても家に受信設備があり、それがNHKの放送を受信することが出来る状態であれば、契約をしなければならないんです。

NHK受信料を払わないとどうなる?

では次に、NHKと受信料の契約をしたにもかかわらず、受信料を払わないとどうなってしまうのでしょうか?

1.書面や訪問で催促される まずは電話や書面、訪問などで催促されます。
NHKから委託された徴収員が直接訪問する場合もあります。
2.支払督促がくる 次に「支払督促」がきます。
支払督促とは、裁判所がNHKに代わって滞納者に支払うように督促状を出す制度のことです。
3.仮執行宣言の通知がくる それでも支払いをしないと、裁判所から「仮執行宣言」の通知がとどきます。
仮執行宣言とは、「これ以後、いつでも強制執行の手続きが出来ますよ」という宣言のことです。
この通知が届くといつ差押えなどが行われるかわかりません。
4.強制執行 仮執行宣言をされた後は、いつ強制執行により、給料や預金を差し押さえられてもおかしくない状態です。

NHK受信料については、滞納したら必ず差押えされるとは一概には言えませんが、ある日突然給料を差し押さえられてしまう可能性はあります。

以上のような流れで、契約したにも関わらず受信料を滞納すると、最悪の場合は給料などを差押えられる可能性もあるので、NHKの受信料はきちんと支払うようにしましょう。

受信料の支払い方法は、口座振替や振込用紙での入金の他に、クレジットカード払いもあります。クレジットカード払いをしている人は、特に滞納をしないよう注意をしましょう。なぜなら、クレジットカードで延滞をすると、信用情報に延滞の記録が残ってしまうからです。信用情報にこのような記録があると、将来住宅ローンや自動車ローン等を利用したいと思った時に、審査に通らない可能性が出てきてしまうからです。

受信料を払えない場合は?

NHKと契約した以上受信料を払う必要があることはわかっていて、受信料を払いたくても、お金がなくて払えない場合はどうしたらいいのでしょうか?

NHKに分割払いの相談をする

NHK受信料を滞納しており、書面や訪問という形で支払いを催促されている状況であれば、NHKに分割払いができないか相談をしてみましょう。支払う意思があることを伝えることが大前提ですが、相談次第で分割払いが認めれるケースもあるようです。

督促異議申立書を提出する

支払督促や仮執行宣言などの裁判所が間に入った書面が届いている状況であればそのまま放置してはいけません。どうしてもその時点で支払いできない場合は、裁判所に連絡をし「督促異議申立書」を提出しましょう。督促異議申立書には、和解もしくは分割払いなどを選ぶ欄があるので、印をつけて提出しましょう。

ちなみにタイムリミットがあり、タイムリミットは2週間です。裁判所に行く必要があり、日にちも指定されてしまいますが、どうしても都合が悪い場合は欠席も可能です。ただし2回目以降はできるだけ出席してください。

支払い方法を変更する

NHK受信料の支払い方法にはいくつかの方法があり、方法によって値段が違うのはご存知でしょうか?振込用紙による支払いに比べ、クレジットカード払いや口座振替での支払いだと、年間で600円も安いんです。

わずかではありますが、それでも支払い方法を変更するだけで受信料が安くなるので、振込用紙で支払いをしている方は他の支払い方法へ変更するというのも1つの手段です。

家族割引を利用する

あまり知られていないかもしれませんが、NHK受信料には家族割引という制度があるんです。同一生計で、複数の住宅で受信契約をしている場合は、片方の受信料が半額になるんです。

同一生計とは、必ずしも同居が条件ではなく、例えば勤務や修学、療養などの都合で別居している場合でも、常に生活費や学資金、療養費などの送金が行われている場合には、同一生計とみなされます。

学生や単身赴任などで離れて暮らす家族や別荘・別宅が対象になるというのはわかりやすいかと思いますが、このほかにも高齢の親に仕送りをしている場合なども同一生計とみなされる場合もあります。

申込時には同一生計を確認できる書類を提出する必要がありますが、該当するご家族や別荘・別宅がある方は、申請してみましょう。

受信料の免除規定がある

NHK受信料には免除規定というものがあり、これに該当すると受信料の全額または半額が免除されます。ちなみにですが、これは契約の必要がないというわけではなく、契約を結んだうえで受信料が免除されるということになります。

<全額免除>

・生活保護世帯
・市町村民税非課税で身体障害者を含む世帯
・市町村民税非課税で知的障害者を含む世帯
・市町村民税非課税で精神障害者を含む世帯
・社会福祉事業施設入居世帯(老人ホーム等)

<半額免除> 以下の世帯主が受信契約者の場合

・視覚・聴覚障害者
・重度の身体障害者
・重度の知的障害者
・重度の精神障害者
・重度の戦傷病者

これらの他にも災害被災者の方への免除もあります。免除は申請手続きをする必要があるので、該当する方は自治体やNHKの窓口で申請しましょう。

まとめ

NHKの受信料を払うことに疑問を思っている方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、受信設備があって受信できる状態にある場合は、NHKと契約をすることが放送法で決まっています。

テレビを設置しているにもかかわらず契約をしないと、NHKに裁判を起こされた場合は負ける可能性の方が高いので、NHK受信料はきちんと支払うようにしましょう。お金がなくて払えないという場合には、分割払いの相談もできますし、受信料の免除制度や家族割引制度もあるので、対象の方は申請しましょう。

・NHKは戦後、放送法に基づいて設立
・放送法で受信料についての規定がある
・民間放送局は広告収入で運営。NHKは受信料で運営。
・NHK放送を受信できる設備を設置した場合はNHKと契約が必要
・契約しないことに罰則規定はない
・裁判所が認めればテレビの設置日に遡って受信料を支払う必要がある
・契約したにも関わらず受信料を滞納すると、最悪の場合財産を差し押さえ
・受信料の支払い方法によっては受信料が安くなる
・受信料には、免除制度や家族割引制度がある