住宅ローンが払えない

マイホームは人生の中で最も大きな買い物といえます。何千万とするマイホームを一括で支払うのは難しいので、多くの人が利用するのが住宅ローンです。

住宅ローンは金利は安くてありがたいのですが、何十年と続くローンに頭を悩まされる人も多くいます。急に仕事のボーナスが減ってしまった、子供が生まれた、介護が必要で仕事の量を減らしたなど、急に事情が変わって支払いが難しくなることもあります。せっかくのマイホームをローンが支払えないために手放すのはもったいないですよね。

今回は、住宅ローンが支払えないとどうなるのか、ローンが支払えなくて困った時に取るべき方法をご紹介していきます。

住宅ローンが払えない時に取るべき4つの方法とは

住宅ローンが支払えない時に取るべきなのはこの4つの方法です。
それぞれ詳しく説明していきますね。

・ 借り換えを検討する
・ 今借りている金融機関へ相談
・ 生活費を見直し
・ 最終手段で売却する

1.借り換えを検討する

まず、最初に借り換えを検討します。

別の金融機関に借り換えをすることで、返済額を減らすことができるのが借り換えのメリットです。

例えば現在金利2%だとして、借り換えによって金利が1.2%になったら、返済額は大きく減ります。また、借り換え時に金利タイプを変更することもできるので、変動金利タイプから固定金利タイプに変更することもでき、金利上昇の不安も軽減することができます。
ただし、借り換えをすると再度諸費用がかかります。事務手数料や保証料など数万円〜数十万円かかる場合もあるので、借り換えをするのが得かどうかは見極めなければなりません。

借り換えは滞納する前に相談

借り換えも審査があります。

もしも滞納してしまうと審査が通らなくなる可能性があるので、必ず滞納する前に相談しましょう。金融機関の審査や手続きは時間がかかりますので、今月は支払いができそうでも来月は難しいなという場合にはすぐに相談するのが大切です。

2.今借りている金融機関へ相談

滞納しそうになったらローンを組んでいる金融機関に相談をして下さい。

まず金融機関ではローンの返済計画の見直しを行います。返済計画の見直し(リスケジュール)を行います。例えば返済期間の延長を行ったり、一定期間利息のみ払うように変更してくれる可能性があります。

ただし、リスケを行うと、これまで金利が優遇されていた人も金利の優遇がなくなる可能性があります。またリスケを行うと、リスケを行なったことが知られてしまうので、他の金融機関などのローン審査が通らなくなる可能性がありますので、最初からリスケを行わない方が良いでしょう。

リスケは返済額が減る訳ではない

銀行からリスケを承諾してもらったとしても、返済額自体が変わる訳ではありません。
むしろ返済期間が延びて、当初の計画よりも利息を多く支払うことになります。一時的な救済措置にしかならないので、生活自体を見直して行くことが必要です。

3.生活費を見直し

日々の生活費を見直すと、無駄な部分や削減できる部分があります。無駄を省くことで住宅ローンのお金を捻出する方法です。

まずは生活費を把握することが大切です。家計簿をつけていない人はまずは家計簿をつけましょう。そして月々の収入はいくらで、何にお金を使っているのかを明確にすることから始めます。なかなかお金の流れを全て把握するのは大変ですし、嫌だと思う人もいると思いますが、ローンが払えないとなると大変です。

保険の見直しが効果的

生活費の中で一番見直すのに効果的で近道なのは、固定費と言われる「生命保険」や「通信費」「光熱費」などです。

保険を数種類かけている人は多く、かけ過ぎとも言われています。

しかし実際にどの保険を残せば良いのか、特約はどうすれば良いかわからないことだらけです。そんな時は保険の見直しを無料で行ってくれる窓口もありますし、お金はかかりますが思いきって専門家に相談するのも良いでしょう。

通信費や光熱費はもっと削減できる

意外と負担になるのが通信費や光熱費です。

通信費は家族で携帯会社を揃えるとか、格安SIMを利用することで随分と削減することができます。また、月々の光熱費も節約しやすい部分です。

例えば電気代はプランの見直しをするだとか、ブレーカーの容量を減らして基本料金を減らしたり、エアコンの設定温度に気をつけるといったことでも大幅な節約になります。他にも水道の出しっ放しや冷蔵庫の開け閉めなど、意識を変えるだけでも無駄に気づいて節約につながります。

4.売却は最終手段

どうしても住宅ローンが支払えないという場合は、競売になるよりも自分から売却するのが賢明です。

売却すると競売よりもメリットが多く、今後の生活がしやすくなります

売却をするには、住宅ローンを融資してもらっている金融機関に相談の上、売却(任意売却)をし売れた金額で残金に充てるという形になります。

競売になるよりは任意売却をした方がメリットが多い

競売よりも適正な価格で売却することができるので、競売よりも負債を多く減らすことができます。売却する時の仲介手数料がかからないので、負担が少ないのもメリットです。
そして何より周囲に住宅ローンが払えずに売却したと知られることがないので、プライバシーが守られます。

また、競売になると早々に立ち退きを余儀なくされ、期限を過ぎても引っ越ししていなければ不法占拠と見なされてしまいます。競売になる場合引越し費用もない状態と考えられますが、容赦なく引越しを迫られます

滞納すると起きること

滞納してしまうと様々なことが起きます。

滞納したことで個人信用情報期間に登録されたり、一括返済を求められたり、そのまま支払いができなければ競売にかけられてしまいます。

月々のローンが支払えないのですから、一括返済など難しいのですが滞納を続けるとどんどんと話が進んでいき、競売に至るまであっという間です。

滞納から競売までのスケジュール

まず支払い日に支払いが確認できなかったら、次はいつ引き落とし予定ですという書類が届きます。約1ヶ月後には、いつまでに利息と延滞金を支払ってくださいという書類が来ます。2ヶ月頃から督促状や催告書が届くようになり、何と3ヶ月くらい経つと競売にかける準備が始まります。約4〜5ヶ月後には自宅へ裁判所の職員がやって来て、写真を撮ったり事情を聞いたりしに来ます。そして約6ヶ月もすれば「競売期日通知」が届き、競売が始まります

滞納から3ヶ月後には全額一括返済を求められる場合も

約3ヶ月後もすれば、一括返済を求める書類や連絡が来ます。

金融機関側も融資したお金を回収できなければ大変なことになります。保証会社から金融機関に一括返済され、保証会社から一括返済を求められることになります。この時点で分割支払いはできなくなっています。

競売にかけられる

約4〜5ヶ月後から競売のための写真撮影など行われます。

そして約6ヶ月後に「競売期日通知」が届き、競売が行われる日が知らされます。この競売期日通知が届くともう競売を逃れることはできないので、必ず競売にかかってしまいます。競売になるとこのようなことが起きます。

・ 競売後も返済は続く
・ 引越し費用がかかる
・ 周囲に知られる

競売後も返済は続く

競売にかけられると自宅は無くなりますが、返済もなくなるというわけではありません。
競売で取引された金額分は減りますが、競売は一般的に普通に売るよりも1〜3割程度安いので全てをまかなえることはありません。自宅以外に財産になるものがなく返済ができない場合は、自己破産をしなければならない場合もあります。

引越し費用がかかる

落札者によっては引越し費用を出してくれる人もいるかもしれませんが、基本的には自分で引越し費用を出さなければなりません。引越しは新しい住居の敷金礼金を支払うところから、引越し業者の料金まで支払わなければいけないので数十万円かかってしまいます。
任意売却であれば融資してもらえるかもしれませんが、競売になると自分で工面しなければならないので、これも大きな負担です。

周囲に知られる

裁判所に公示されたり、家に競売という札を貼られたりもするので、近所の人に競売になったことを知られてしまいます。競売は基本的に支払いができなかった時にかけられるものなので、周囲の人から競売になるほど支払えないのかと思われてしまいます。

不動産ローンを支払えない人が増えている

最近では住宅ローンが支払えない人が増えています。

住宅ローンは融資してもらう金額が大きいので、返済も20年30年と続きます。リストラや給与削減、病気など予定通りにいかないことで、支払いが難しくなっている人が多くいのです。

もし今は大丈夫でも、もしもという時のために生活費の見直しや借り換え先を探すなど準備をしておくのが良いでしょう。

まとめ

せっかくマイホームを手に入れてもローンが払えなければ競売にかけられて手放さなければなりません。マイホームは非常に大きな買い物で、住宅ローンは何十年と支払いが続いていきます。

リストラや給与の削減、家庭環境の変化などいろいろな理由で支払いが難しくなってしまいます。支払いが難しくなったからといって延滞をし続けるのは良くありませんので、今回ご紹介した4つの方法で延滞をせず賢く対策を行って下さいね。

・ 借り換えを行うと安い金利にできることもある
延滞する前に借り換えの相談を行う
・ 借り換えをすると再度諸費用がかかる
・ 借り換えしない場合は融資先の金融機関へ相談
・ 生活費の見直しは保険や通信費、光熱費といった固定費から行う
・ 競売よりも任意売却の方がメリットが多い
早ければ約6ヶ月で競売の手続きが始まる
・ 競売は売却より1〜3割安い
・ 競売にかかっても支払いは続く