車を持っていると、維持するためには定期的に車検に出したり、自動車税や保険など様々な費用が発生します。特に車検代は、ある程度まとまったお金が必要になりますが、万が一その費用を支払うことができなかったとしたらどうなってしまうのでしょうか?

車検代を用意できない場合にどうしたらいいのか等、ご紹介します。

車検代の相場は?

車検代の相場の前に、そもそも車検ってなぜ必要かご存知ですか?

車検とは、正式には「自動車検査登録制度」と言い、国が定めている保安基準に車が適合しているかを一定期間ごとに検査をして、自動車の所有者を公証・登録する制度のことで、車を所有する人の義務になっています。

安全基準を満たさない車を運転していると、いつ故障や不具合が発生するかわかりません。その故障や不具合が原因で最悪の事態を招くこともあります。万が一のトラブルを未然に防ぎ、安心して車を走行させるために車検を受ける必要があるんです。

車を所有している人は、一定期間ごとにかならず車検を受ける必要があるんです。車検を受けなければいけないことはわかりましたが、具体的にどのくらいの必要がかかるのでしょうか?

車検にはどのような費用が発生するのか

車検の費用は大きく分けると「法定費用」と「車検料金」の2つに分かれています。

車検は、まず先に税金を納める必要があります。税金の納付証明書がなければ車検自体を受けることができない仕組みになっています。この最初に収める「自動車重量税、自賠責保険料、印紙代」を法定費用と言い、自動車の種類、車両重量、車検期間などによってかかる費用は異なりますが、どこで車検を受けても同額にかかる費用になります。

車検料金の具体的な内訳と内容について

車検料金とは、自動車の点検にかかる費用のことで、基本料金は車種によって決めらていますが、この基本料金に、車検を受ける会社によって手数料が上乗せされます。また、点検の結果部品を交換する必要があれば別途部品交換代などがかかります。

内訳 内容 概算費用
法定費用 自動車重量税 自動車の重量にかかる税金 1~4万円
自賠責保険料 自動車にかかる保険料 2~4万円
印紙代 車検の登録に必要な書類代金 2000円以下
車検料金 基本料金 自動車の検査・整備にかかる費用 3~7万円(法定費用)
検査・整備費用 車検を依頼する会社によって異なる
部品交換代 実費

これらの費用を合計すると、ざっくりですが10万円程かかります。

法定費用と、車検の基本料金は車種などによって決まっているもので、費用の幅があるのは、検査・整備費用で、車検をどこに依頼するかによって変わってきます。

車検切れで運転するとどうなるの?

車を所有している場合、車検を受けることは義務になっていますが、万が一車検が切れた状態で運転した場合どうなってしまうのでしょうか?車検証を誰かに見せる機会はそうはないので、そのまま乗っても大丈夫なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
車検切れの車を運転するとどんなリスクがあるのでしょうか?

厳しい罰則があります

車検切れの車やバイクを公道で運転(無車検者運行)すると、下記のような罰則が科せられます。また通常は車検と自賠責保険の期間が同じ方が多いので、自賠責保険も切れていると、無保険車運行による罰則も加算されることになります。

違反 罰則
無車検者運行
(車検切れ)
違反点数6点
免許停止(30日間)
6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金
無保険車運行
(自賠責保険切れ)
違反点数6点
免許停止(30日間)
1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
無車検者運行かつ無保険車運行(車検切れかつ自賠責切れ) 違反点数12点
免許停止(90日間)
1年6か月以下の懲役もしくは80万円以下の罰金

違反が初回であれば90日の免許停止で済みますが、1回でも新たに違反をしたり、すでに免許の減点が累積している方は免許取消になってしまいます。車検切れとは気づかずに運転していた場合は、罰則は受けずに厳重注意で済むことがほとんどですが、運転者に故意や悪意があると判断された場合は現行犯で捕まることもあります。

また、車検切れの取締まりは強化されており、ガソリンスタンドやカー用品店、整備工場などに車検切れの車の監視や通報を依頼したり、Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)やカメラを使ってナンバーを読み取って車検切れの車を発見するシステムの導入などが始まっています。

交通事故による損害賠償について

車検切れ車を運転する最も大きなリスクは、事故を起こした時です。通常であれば、事故にあって損害が発生しても、自賠責保険や任意保険による保証金で賠償しますが、車検切れの場合はどちらの保険も無効なことがほとんどで、すべて自己負担で損害を賠償しなければなりません。

しかももらい事故の場合であっても、車の修理費などを自己負担する必要が出ます。対人・対物事故の場合は、一気に数百万~数千万円の賠償が発生する可能性があるんです。

このように車検切れの車を運転しで交通事故をおこした場合のリスクは計り知れません。
事故はどんなに気を付けていても起きる可能性があるので、車検切れの車は絶対運転しないようにしましょう

車検代が払えない時の6つの選択肢

車検切れの車を運転するのはかなりのリスクがあることはわかっていただけたかと思います。しかしながら、車検代は安いものではありませんので、車検代が払えない場合の対処法をご紹介します。

1.少しでも車検代を安くする

上記で車検代の内訳をご紹介しましたが、車検代の中で節約できる費用もあります。それは検査・整備費用で車検の依頼先によって変わってくる部分です。どのようにすれば安く済ませることができるのかご紹介します。

運輸支局に自分で持っていく

自分で運輸支局などに車両を持ち込んで車検を受けることをユーザー車検と言います。
このユーザー車検であれば、車検にかかる費用は法定費用のみとなり一番安く済ませることができるんです。

予約を行えば、全国どこの運輸支局でもユーザー車検を受けることが可能で、予約はインターネットから24時間可能で、約2週間前~検査前日まで受け付けています。ただし運輸支局の営業時間は平日のみとなっているのでその点は注意してください。

費用的には一番安い方法にはなりますが、自動車のメンテナンスとしては不十分な場合もあるので、日ごろの点検や整備には十分注意してくださいね。

少しでも安い車検場所を探す

ユーザー車検が一番安価な方法ではありますが、車の整備に詳しくない方の場合は、きちんと点検・整備をしてくれる車検場所を探すことをオススメします。

現在は、様々なところで車検を受けられるようになっているので、その特徴と相場をご紹介します。

種類 特徴 相場
(法定費用に上乗せされる分)
ディーラー車検 自動車を購入、もしくは所有する自動車メーカーのディーラーで受ける車検。高い技術と専門性を持つプロで、交換部品も純正品で安心。整備料金や工賃が若干割高だが、その分整備にも保証がついている。 4~10万円
車検専門フランチャイズ車検 車検を通すことを目的にしているので、検査に関してはプロ。スピーディで明確な料金設定。車検に必要な検査項目以外の点検整備は基本的に行わない。 2.5~8万円
民間整備工場車検 地域密着型の民間整備工場での車検。安めな価格設定で、信頼関係があれば融通が利くメリットも。工場によって設備や品質、技術にばらつきがあるので注意も必要。 2.5~8万円
カー用品店車検 汎用部品は豊富な在庫があるので、多くのメーカーの車に対応。うまく汎用部品を使い整備費用を安くすることも可能。一部の車種を除き外車はNG。店によって設備や品質、技術にばらつきがあるので注意も必要 2~6万円
ガソリンスタンド車検 多くの店舗はユーザー車検の代行。ブレーキパッドやブレーキローターの減り、油脂系の漏れがある場合は向かない場合もある。 2~6万円
ユーザー車検 ユーザーが自分で検査場に持ち込む車検。 なし(法定費用のみ)
車検代行業 ユーザー車検を、代行手数料を支払うことで代行してくれる業者。持ち込む必要がないので楽だが、車の状態に関してはユーザー車検同様に自己責任。 1~3万円

ちなみに、これらの車検を行うことができる自動車整備工場には「認証工場」と「指定工場」があります。

認証工場と指定工場の違いについて

自動車に関して整備を行うことを国から認められているので分解整備・点検を行うことが出来る点では同じですが、自工場内に検査ラインを持っているかが異なる点で、「認証工場」は検査ラインを持っていないので、自社で整備した自動車を陸運支局か検査ラインを持つ指定工場に持ち込んで検査を受けます。もし不適合箇所があれば持ち帰って再度整備をして検査を受けることになります。

「指定工場」は民間車検場とも呼ばれ、陸運支局に変わって自社で車検を行うことができる工場で、工場内に陸運支局とおなじ検査ラインをもっているので同じクオリティで検査が出来ます。

ディーラーと車検専門フランチャイズ車検、そして民間整備工場の一部は指定工場となっていることが多く、残りの民間整備工場とカー用品店、ガソリンスタンドは認証工場や代行業務が多く、認証も受けずにユーザー車検の代行だけをしているところもありますので、しっかり確認するようにしましょう。

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2.クレカ分割・リボ払いを利用する

クレジットカードでの支払いに対応している業者であれば、クレジットカードの分割払いやリボ払いを利用しましょう。分割で支払いをする分、少し金利がかかってはしまいますが、かかっても数千円程度なので、まとまった額を用意するよりは手軽で、手間がかからない良い方法でオススメです。

3.銀行のマイカーローンを利用する

マイカーローンと言うと、車を購入する際に利用できるローンだと思われがちですが、実は購入時だけではなく、車に関することに使えるローンで、修理や免許取得などにも使え、もちろん車検代に使うことも可能なんです。

審査に時間がかかったり、若干審査が厳しいといったデメリットもありますが、審査に通ることができれば金利も低いのでオススメです。

その他の方法

まとめ

車を持っていると避けて通れないのが車検です。所有者の義務とはわかっていても、ある程度まとまったお金が必要なので場合によっては車検代が払えないなんてことも・・・。

車検切れのまま運転すると取り返しのつかないことになるので、ご紹介した対処方法の中でご自身ににあった方法を検討してみてください。

・車検代はおおよそ10万円はかかる
・車検代の内訳は法定費用と車検料金
・法定費用はどの車検場へ出しても同額かかる
・車検料金のうち、点検・整備費用は車検場によって異なる
・車検代を少しでも安くしたい場合は車検場を選ぶ
・車検切れで運転すると免許停止、場合によっては免許取消にも
車検切れの一番のリスクは交通事故
・カーローンは車購入だけでなく車検代にも使える
・クレジットカードが使える車検場なら分割払いやリボ払いが便利
最終手段は車を売却