カードローンやクレジットカードを利用するためには、必ず金融機関による審査があります。

その審査の際に、過去に延滞や強制解約などの金融事故の記録があると審査に落ちてしまうことをご存知の方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、過去に延滞したこともないのに審査に落ちてしまう・・なんて方もいらっしゃいます。もしかすると気づかないうちに「申込ブラック」と言われる状態になってしまっているのかもしれません。

申込ブラックとはどうゆう状態なのか、どうすれば確認できるか等、申込ブラックにまつわる疑問についてご紹介します。

申込ブラックは何度申し込んでもだめ!

実は審査に落ちたらやってはいけないことがあります。

それはすぐに他のローンに申込みをすることです。短期間に複数件のローンに申込を行うことを「申込ブラック」と呼び、申込ブラックになると、審査に通らなくなります。

通常審査を行う時は、ローン会社が申込者の情報を信用情報機関に照会します。信用情報機関は、個人信用情報機関と呼ばれていて、氏名や住所、生年月日という個人情報はもちろん、契約状況や支払情報を知ることができます。申込履歴も見ることができますので、何件も申込をするとローン会社に知られることになり審査に通らなくなります。

申込ブラックが審査に通らない理由

申込ブラックが審査に通らないのは、

「何件も断られている人」
「相当お金に困っている人」

と認識されるからです。お金を貸す側としては、きちんと返済してくれる人に貸したいのです。貸す側は貸した人の金利で経営が成り立っています。きちんと返済してくれない人は貸したお金が戻ってこないだけでなく、金利分を得ることもできませんし、返済を促すのにとても労力がかかります。

何件も断られているということは、何か問題があるのではないかと考えます。そして、審査に落ちても何件も申し込まなければならないほどお金に困っている人は、きちんと返済できるのかと疑いを持ってしまいます。なので、申込ブラックになると他の審査にも通らなくなってしまうのです。

金融事故と申込ブラックは違う

よく「ブラックリストに載る」という言い方を聞くことがあると思います。

そのブラックリストとは、過去に自己破産や債務整理などの金融事故を起こした人のことを言います。申込ブラックは、短期間に複数件の申込を行なっている人のことなので、過去に債務整理など行なっていなくても「ブラック」と呼ばれてしまいます。

何件で申込ブラックになる?

明確な定義はありませんが、一般的には1ヶ月以内に3社以上に申込みをした人のことを、申込ブラックと呼んでいます。個人信用情報機関は6ヶ月経てば記録が消えますが、ローン会社の記録はいつまで残っているかは、はっきりとはわかりません。しかし、個人信用情報機関と同じように半年以上間をあけておけば問題はありません。

クレカの多重申込も申込ブラックになる

申込ブラックと呼ばれるのは、カードローンやマイカーローンといったローンだけではありません。クレジットカードも複数申込を行うと申込みブラックとみなされます。

クレジットカード会社も銀行もローン会社も、どこも個人信用情報機関を利用しているのでわかってしまいます。クレジットカードはキャンペーンを行なっているところも多く申込がしやすいです。また、◯◯カードは審査がゆるいなどの噂が飛びかっているので、審査に落ちてもついつい他のクレジットに申込してしまいがちなので注意が必要です。

簡易審査も申込情報に記録される?

カードローン商品によっては、審査に通るか不安な方のためにインターネット上で手軽にできるお試し審査のような簡易審査ができるものあります。いくつかの簡単な質問に答えるだけで、その場で融資が可能かどうかわかるので利用される方も多くいらっしゃるかと思います。

「一度に複数の会社のお試し審査を利用してしまったけど、これも申込ブラックになってしまうの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。お試し審査といった簡易審査(個人を特定できる情報を入力せずに診断するもの)は、あくまで融資の可能性を判断するためだけのもので、実際の申込や審査としてはカウントされません。もちろん信用情報に記録が残るようなこともないので、安心してください。

自分が申込ブラックなのか確認する方法

自分が申込ブラックという状態になっているか確認する方法はあるのでしょうか?

上記でご説明しましたが、「申込ブラック」という項目があるわけではありませんが、自分がいつどのカード会社に申込をしたのかは、信用情報の申込情報欄にある照会日時で確認することができます。そして自分の信用情報は、信用情報機関に開示請求をすれば見ることができるんです。信用情報機関への開示請求方法についてご紹介します。

信用情報機関の種類

まず、日本には以下の3つの信用情報機関があります。

全国の金融機関はこの3つのうちのいずれか、もしくは複数の信用情報機関に加盟しています。

株式会社日本信用情報機構
(JICC)
最も古い信用情報機関。

加盟会員からの情報更新が随時更新・反映されていた全国銀行個人信用情報センターが前身で、現在も情報はリアルタイムで分かると言われている。

株式会社シー・アイ・シー
(CIC)
信販会社、クレジットカード会社系の信用情報機関と言われているが、銀行系金融機関や消費者金融も数多く加盟。

原則月1回以上、登録情報の更新が義務付けられているので情報精度が高い。

全国銀行個人信用情報センター
(KSC)
銀行や銀行系クレジットカード会社、銀行系の信用保証協会の他、農協、信用組合、信用金庫などの金融機関が加盟。

他の2機関と違い官報(国のお知らせ。自己破産や個人再生などの場合に広告される)を記録している。

この3つの機関はそれぞれで情報を管理していますが、CRINと呼ばれる情報共有ネットワークで一部の情報(金融事故の情報など)を相互に利用できるようになっています。また、CICとJICC間にはFINEと呼ばれる情報共有ネットワークもあり、こちらでは総量規制を超える貸出しを防ぐために借入残高などの情報を共有しています。

申込情報に関しては、それぞれの信用情報機関で個別に管理されているので、各信用情報機関に開示請求しましょう。

申込したいカードローンやクレジットカード会社が実際にどの信用情報機関に加盟しているかは、各社のホームページなどで確認できるので、心配な方は確認してみましょう。

開示請求の方法

各機関の開示請求の方法を簡単にご紹介します。

機関名 開示方法 手数料 受付日時
JICC スマートフォン
(アプリ)
1,000円 メンテナンス時を除く(結果は郵送)
郵送 1,000円
(定額小為替証書またはクレジット決済)
窓口 500円(現金) 平日10時~16時
CIC インターネット 1,000円(クレジット決済) 8時~21時45
郵送 1,000円(定額小為替証書)
窓口 500円(現金) 平日10時~16時
(12時~13時除く)
KSC 郵送 1,000円(定額小為替証書)

どの機関とも本人確認書類(いずれか1点もしくは2点)の提出が必要となっています。本人確認書類には下記のようなものがあります。

・運転免許証
・マイナンバーカード(個人番号カード)
・パスポート
・住民基本台帳カード
・健康保険証
・年金手帳
・住民票
・戸籍謄本または戸籍抄本 など

郵送の場合は、結果が届くまで1週間~10日ほどかかるようです。基本的には本人以外見ることができない情報なので、自分で手続きしましょう。代理人でも手続きは可能なのですが、委任状や戸籍謄本など書類が必要になります

「信用情報の開示請求をしたら、何かやましいことがあると思われて審査に不利になるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはないのでご安心ください。開示に手数料がかかる以外にデメリットはないので、心配な方はむやみに申込をして申込ブラックになる前に、開示請求して自分の信用情報を確認してみましょう。

情報開示で確認できる内容は?

開示請求を行うと、どういった情報がどのように登録されているかを確認することができます。氏名や生年月日、会社の情報はもちろんのこと、ローンなどの契約日、支払回数、限度額、入金履歴や延滞発生日など細かく記録されています。

クレジットカード会社やローン会社が定期的に、個人信用情報機関に情報を提供しているのです。

開示請求すると今後の審査に影響はある?

個人信用情報の開示請求をしたことで、今後の審査に悪影響を及ぼすのではないかと不安になりますよね。開示請求が審査に影響を与えることはありませんので、安心してください。

情報を知ることは私たちが自由に行えることなので、これにより何かにマイナスになることはありません。

申込ブラックの情報が消えるまでの期間

申込ブラックの情報が消えるのは、申込をしてから6ヶ月後です。

6ヶ月経てば自動的に抹消されるので、新たな申込を行っても問題ありません。ちなみに、延滞情報や債務整理、金融事故といった情報は5年〜10年残りますので、金融事故が原因で審査に通らない人は、数年申込は諦めた方が良いですね。

次に申込むまでにやるべきこと

6ヶ月経てば新たに申込を行うことができますが、できれば少しでも確実に審査に通るようにできることをしておくのが良いですね。

例えば、次の申込までに今契約しているクレジットなどの延滞を絶対しないようにするとか、勤続年数を少しでも長くするのも大切なことです。

審査に通りやすくするためにできること

審査に通りやすくするためには、自分の状況をよくすること、延滞などしないことがポイントです。審査はスコアリングという点数制で行われていて、公務員や上場企業の正社員はポイントが高く、パートやアルバイト、派遣社員はそれよりも点数が低くなります。

勤続年数が長いのもポイントが高いので、少しでも点数アップするように、年収が上がるように勉強したり、契約社員は正社員になれるようにしておくと、審査の時に有利になります。もちろん、クレジットカードやローンの延滞をしないようにきちんと支払を行うのも大切です。

最近では携帯電話の料金も個人信用情報機関に記録されますので、油断せず支払をしなければなりません。

審査落ちする原因

審査はスコアリング制で行われるので、やはり点数が低いと不利になってしまいます。一人暮らしや賃貸に住んでいるのも点数は低くなり、持ち家でローンも終了している方が点数は高くなります。

そして、よく支払が遅れたり、長期の延滞をする人も審査に落ちる確率が高くなります。「きちんと支払ができる人か」ということを客観的に調べられ判断されます。

総量規制で申込ブラックになっている可能性もある

他社から借入はあるけど1件だけだし、支払が遅れたこともない。正社員で勤続年数も長いのに、どうして審査に落ちるのかわからない・・という人もいると思います。他社借入は1件なら多重借入にはなりませんし、きちんと支払っているなら問題ありません。

どうして審査に落ちるのかわからないという場合、もしかすると総量規制が原因かもしれません。総量規制とは、年収の3分の1以上の借入はできないという法律です。もしも総量規制に引っかかっているならば、何度申込をしても審査に通ることはありません。ただ、銀行系のローンは総量規制の対象外なので、審査に通る可能性はあります。もしもわからないという場合は、計算してみると良いですね。

まとめ

審査に落ちてしまったら、ついつい他のローンやクレジットカードに申込を行なってしまいますが、それはやってはいけないNG行為です。短期間に複数の申込を行うと、申込ブラックとして扱われ、どの審査も通らなくなってしまいます。審査に通るためには、半年間は申込を行わず、自分の状況をよくすることが大切です。

一度、個人信用情報機関に自分の情報を開示請求してみると、どんなことが登録されているのかわかりますし、改善するためにどうしていけば良いのかわかるので、便利ですよ。

・ 1ヶ月以内に3社以上に申込みをすると申込ブラック
・ 個人信用情報機関には申込日から6ヶ月記録が残る
・ 個人信用情報機関に情報開示請求するのが賢い方法
・「全国銀行個人信用情報センター(JBA)」
・「株式会社シーアイシー(CIC)」
・「株式会社日本信用情報機構(JICC)」という3つの機関がある
・ 開示請求方法はパソコン、スマートフォン、郵送、窓口、等
開示は有料で、1000円ほどかかる
・ 次の申込までに自分の状況をよくしておくことが大切
総量規制に引っかかり審査落ちしている場合もある