お金が必要になった際に、手軽にお金を借りられる方法としてカードローンを思い浮かべる方も多いかと思います。身内や友人などから借りられればそちらの方が良いように思う方もいらっしゃると思いますが、身内や友人からお金を借りるのは肩身が狭かったり、後々トラブルになる可能性もあり精神的な負担が大きいともいえます。

それに比べるとカードローンは誰にも気兼ねすることなく借りることができます。精神的な負担はかなり軽くなるので、お金を借りる方法のひとつとして良い方法だと言えます。

そんなカードローンですが、審査の際には様々な項目の審査が行われます。

年収、勤務先、勤続年数、居住形態、家族状況や、個人の信用情報などを総合的に審査されます。そんななかで、カードローンの申し込み回数はどの程度審査に影響を与えるのでしょうか?

複数社に申し込んだ場合、審査にどのような影響があるのかご紹介します。

カードローンを複数社申し込むことはできるのか?

お金が必要になってカードローンを利用しようと思った場合、複数社に申し込むことはできるのでしょうか?

結論を先に申し上げると、複数社申し込むことは可能です。

カードローンは、賃金業法という法律に基づいて発行されています。その賃金業法では、借入件数の制限はしていません。複数社へ申し込むことは法律で制限されているわけではないので、できるかできなかといえば、できるとなります。

たとえば、他社借入があるのに、プロミスへ申し込むんだ場合の影響について、こちらもご覧ください。

複数社申し込むメリット

カードローンを複数社申し込むことにメリットはあるのでしょうか?

複数社申し込むメリットをご紹介します。

申し込みが簡単&少額なら審査にとおりやすい

カードローンの申し込みは簡単というイメージをもたれている方が多いと思いますが、実は面倒なこともあります。面倒な点として上げられるのが、必要書類の提出です。

必要書類として本人確認書類と収入証明書の提出が必要となっています。

本人確認書類は運転免許証などがあり、免許証をお持ちの方であればいつも持ち歩いているものなのでそれほど面倒に感じることはないと思いますが、問題は収入証明書です。

源泉徴収票などですが、会社勤めの方であれば会社に発行してもらう必要があり、自営業の方であれば税務署などで証明書を発行する必要があります。手間や時間もかかりますし、手数料がかかる場合もあります。

しかしながら少額の借入であれば、必要書類は本人確認書類のみというのがほとんどなんです。

さらに、融資希望額が少額の場合であれば、審査に通る可能性も高くなります。

そもそも高額なら審査が大変

審査は、希望額が高いほど当然厳しくなります。収入に比べて多額の限度額を希望すれば審査に通りにくく、逆に収入に比べて少額であれば審査は非常にスムーズになります。

つまり、少額の限度額で申し込みをし、必要に応じて他社で申し込みをしたほうが、申し込みも簡単で審査に通りやすいというメリットがあります。

複数社申し込むデメリット

上記で複数社申し込むメリットをご紹介しましたが、実はメリットがあるのは2社程度で、それ以上となるとデメリットが出てきます。どのようなデメリットがあるのかご紹介します。

審査がとおりにくくなる

メリットとしして審査にとおりやすいという例をあげましたが、それはあくまでも2社程度。実は3社以上となるとかえって審査が長引いてしまいます。なぜかというと、どこの金融機関も多重債務者を警戒しています。きちんと返してくれることを見込んでお金を貸しており、お金を返してくれない可能性が高い人には貸したくありません。

複数社を利用するということは、それだけお金に困っている=お金を貸しても返してくれない可能性が高いと判断されてしまうんです。

個人の信用情報照会が避けられない

カードローンに申し込んだ際の審査で、必ず個人の信用情報の照会が行われます。

この際、過去に延滞などの金融事故の記録があった場合には審査に落ちるというのはご存知の方も多いと思います。実はこの信用情報には「申込情報」という記録もあるんです。

「いつどこの金融機関のどの商品に申し込みをして、金融機関が信用情報を参照した」という記録が日付とともに残ります。なので複数社に申し込みをしているということはどのカードローン会社にもわかるようになっています。

例えばあなたが友人にお金を貸してほしいと言われた場合を想像してみてください。

あなただけに貸してほしいとお願いしている場合と、あなた以外にも複数の人にお願いしている場合だと、印象がだいぶ違ってきませんか?

ほぼ同時に複数社のカードローンに申し込みをしてると、よほどお金に困っているのかな?返済は大丈夫なのか?とお金を貸すことにリスクを感じてしまいます。

やみくもに多重申込するのはNG

審査は慎重になり時間がかかりますし、場合によってはたとえ限度額が少額であっても審査落ちとなります。消費者金融によっては、何件以上の多重申し込みはNGと決めている場合もあります。

このように短期間に複数社の金融商品に申し込みをし、審査する側に不信感を与えてしまう状態のことを「申し込みブラック」と呼ばれています。

短期間とはどのくらいなのか?申し込み件数が何社からなのか?気になりますよね。「どのくらいの期間で何社以上申し込みをすると危ないよ」とお伝えしたいところなのですが、残念ながら申し込みブラックになる基準は明確ではないんです。

同時期に複数社に申し込みをすることは、「審査担当者の印象が悪くなる」というレベルのもので、ほかの属性(年収などの条件)が非常に良好で返済能力に問題なしと判断されれば審査を通る可能性もあります。カードローンの審査基準は各社によっても異なるので、私たち消費者が知ることはできないんです。

目安としては1か月間に3社以上の申込はNG

とはいえ一般的な目安としては、「1ヶ月間に3社以上の申し込みをすると、申し込みブラックとみなされ審査に通りづらくなる」といわれています。確実性を求めるのであれば、1ヶ月に申し込むのは2社以内に抑えておいたほうが良いでしょう。

お試し審査も申し込み件数に入る?

カードローンによっては、審査に通るか不安な方向けに、サイト上でいくつかの簡単な質問に答えるだけで融資が可能かどうかがわかるお試し審査のような簡易審査ができるようになっている会社もありますよね。その場で審査結果がわかるものが多く気軽に試せるので、実際に申し込みをする前に試してみる方も多いかと思います。

一度にいくつかの会社のお試し審査を試してしまったけど、申し込みブラックになってしってるの?と不安に思った方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です、ご安心ください。

お試し審査は信用情報にものらない

お試し審査といった簡易審査(個人を特定できる情報を入力せずに診断するもの)は、あくまでも融資の可能性を判断するためだけのもので、実際の申し込みにはカウントされません。信用情報に記録が残るようなこともないので安心してください。

むしろ審査に通るが不安という場合には、各社が用意している簡易審査を積極的に試してみて、自分の条件で審査に通る可能性が高いカードローン会社を選ぶことをお勧めします。

申し込みブラックになってしまったらどうしたらいいのか

すでに一度に3社以上の申し込みをしてしまっており、審査に通らない申し込みブラックになってしまっている場合はどうしたらいいのでしょうか?もうカードローンを利用することはできないのでしょうか?

結論から言うと、申し込みブラックの状態は永遠に続くものではありません

信用情報には「情報の保持期間」というものがあります。信用情報の内容や、信用情報を取り扱っている期間によって保有期間が決められているんです。信用情報機関は日本には以下の3社あり、各金融機関はこの3社のうちのいずれか、もしくは複数に加盟しています。

・全国銀行個人信用情報センター・・・主に銀行などが加盟
・株式会社日本信用情報機構(JICC)・・・主に消費者金融、信販会社などが加盟
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・・・信販会社、消費者金融などが加盟

以前は各信用情報機関で情報を管理しており、共有している情報は一部だけだったりしていましたが、現在はそれぞれの期間が保有する情報を共有する体制が整備されており、どの金融機関でも、消費者のすべての信用情報を照会できるようになっています。

申し込みから6か月すればOK

申込情報の保有期間ですが、信用情報機関3社とも「6ヶ月間」となっています。つまり、申し込みをした時から6ヶ月過ぎれば大丈夫です。

すぐにお金が必要という場合には6ヶ月は長いと感じるかもしれませんが、申し込みブラックの状態のまま、他社のカードローンへの申し込みを繰り返すと、審査に落ち続けるだけでなく、申込情報の保有期間を延ばしてしまうことになるので注意しましょう。

また、信用情報の保有期間以外にも注意する点があります。それは各金融機関の自社履歴です。各金融機関では、信用情報の保有期間よりももっと長い期間、自社の申込履歴を保持しているところがほとんどです。自社履歴の保有期間は特に法律などがあるわけではないので、各社ごとに異なりますが一般的に10年程度保管している会社が多いようです。

申し込み情報が残っている(=審査に落ちた情報が残っている)ということになり、だからといって必ず審査に落ちるわけではありませんが、同じカードローンに申し込む場合には、「前回よりも収入が高くなった」「派遣社員から正社員になった」「他社の借入がなくなった」など、何かしら自分の属性をアップしてから申し込むようにしたほうが審査に通る可能性が高くなります。

平均金利が高くなる

複数の消費者金融を利用すると、1社あたりの限度額が低くすることができ、申し込みが簡単で審査にとおりやすいというメリットがありますが、限度額が低い場合にはどの会社でも一番高い金利が適応されてしまいます。

金融機関の利率は利用額に応じて段階的に定められており、限度額が低いほど金利が高く、限度額が高くなるほど金利は低く設定されています。つまり、複数の消費者金融に申し込みをするということは、高い金利で複数社からお金を借りるということになるんです。

限度額が高いと審査に通りづらいというデメリットはありますが、金利は低くなる可能性があります。カードローンを利用する以上金利はかならず発生するものなので、申し込みの簡単さや審査の通りやすさだけではなく、お金を借りた後に必ず発生する金利のことも踏まえて利用するようにしましょう。

まとめ

カードローンは、複数社に申込をすることで1社あたりの借入希望額を低くでき、審査が通りやすいというメリットもあります。

しかしながら同時に申込む件数が多くなるとデメリットも出てきます。いわゆる申込ブラックという状態になる可能性が出てきてしまいます。一般的に「1ヶ月間に3社以上」の申込をすると申し込みブラック状態になるといわれています。

カードローンを複数社に一度に申し込むことはできますがメリットもある反面デメリットもあるので、どちらのほうがより自分に合っているのか検討したうえで申し込むようにしましょう。

・賃金業法では融資額の制限はあるが、借入件数の制限はない
・カードローンを複数社に一度に申し込み可能
・借入希望額が低いほうが、必要書類が少なく審査も通りやすい
・一度に複数社申し込むと申し込みブラックになる可能性がある
申し込みブラックになる目安は、1ヶ月間に3社以上
・申込情報は信用情報に記録される
申込情報の保有期間は6ヶ月間
各金融機関は自社の申込情報を各自で保管している(一般的に10年間)
・借入希望額が低いほど金利は高い