ガスは、水道や電気と並んで生活になくてはならないライフラインです。一時は、オール電化の普及により、ガスから電気へ切り替えるご家庭も多かったのですが、最近は電気代の高騰により、ガスが見直されてきています。

料金面でお得なガスですが、万が一ガス料金を支払日までに払えなかった時にはどうなってしまうのでしょうか?すぐ止められてしまうのでしょうか?

もしガス料金を滞納してしまった場合、いつ、どんな流れで供給停止され、また開栓する場合にはどしたらいいのか等、ガス料金を滞納してしまった場合の疑問についてご紹介します。

ガス料金払えないとすぐ止まる?

まず初めに、ガスには2つの種類があるのをご存知ですか?都市ガスとプロパンガスです。
色々と違いはあるのですが、大きな違いは供給方法です。

都市ガスは、道路の下に設置されたガス管を経由して各家庭へ供給されます。
地中にガス管を埋める必要があるため、自宅付近までにガス管が来ていないと使用できません。

一方、プロパンガスはガスボンベに入れて家庭へ配送されるので、そのガスボンベを自宅の外に設置して室内に引き込むことで使用できます。

このように都市ガスとプロパンガスは供給方法以外にも運用に違いがありますが、今回は都市ガスの場合についてご紹介します。

ガス料金滞納するといくから止まるのか

では本題に戻りますが、ガス料金は滞納したらいつガスが止められてしまうのでしょうか?1ヶ月分のガス料金は、検針日を基準にして計算されます。

検針日とは、各家庭に取り付けられているガスメーターのチェックを行う日のことで、ガス会社や地域によって異なり、検針日は検針票に記載されています。ガス会社の多くが、この検針日の翌日から30日目までを支払期限としており、検針日の翌日から50日目以降をガス停止(=閉栓)時期としているようです。

支払期限を過ぎるとすぐに閉栓するわけではなく多少猶予期間がありますが、多くのガス会社は支払い期限から20日目以降に閉栓作業に入るようです。

以下に主なガス会社の支払期限と閉栓時期をご紹介します。

地域 ガス会社 支払期限 閉栓時期
北海道 北海道ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から50日目以降
宮城県 仙台市ガス局 請求書発行日(検針日から2、3日目)の翌日から20日目までが早収期限
※早収期限までに支払えば3%割引請求書発行日の翌日から50日目が最終期限
検針日の翌日から75日後あたり
東京都 東京ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から50日目以降
埼玉県 東彩ガス 検針日から30日目が早収期限
※早収期限までに支払えば3%割引検針日から50日目が最終期限
検針日の翌日から50日目以降
長野県 長野都市ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から60日目以降
愛知県 東邦ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から60日目以降
大阪府 大阪ガス 検針日から30日目 特に決まりはなし
広島県 広島ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から50日目以降
愛媛県 四国ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から50日目以降
福岡県 西部ガス 検針日から30日目 検針日の翌日から50日目以降

上記のように、ガス料金を滞納すると、早くて支払期限から20日目でガスを停止されるようです。

何の予告もなく停止されるの?

停止の前に「供給停止予告書」という書面が届きます。この書面には、未納額、最終支払期限日と、このまま支払いが確認できなればガスを閉栓して供給を停止する旨が記載されています。

この供給停止予告書に記載されている、最終支払期限日までに支払いをすればガスを止められずにすみます。逆に、最終支払期限日までに支払いをしないと、いつガスを止められてもおかしくありません。しかもガスは、在宅していようがいまいが関係なく停止されてしまいます。ガスが止められてしまうと、ガスコンロが使えないだけではなく、お風呂に入ることもできなくなってしまいます

かなり不便な状態になるので、停止される前に支払いをするようにしましょう。

延滞料金はかかるの?

ガス料金は、支払日を過ぎると延滞金が発生するところがほとんどです。

支払期日の翌日~10日の間から年率10%(日率0.0274%)が加算され、支払いが確認できるまで加算され続けます。

以下に主なガス会社の延滞料金発生日をご紹介します。

地域 ガス会社 いつから延滞料金が発生する?
北海道 北海道ガス 検針日の翌日から41日目以降
東京都 東京ガス 検針日の翌日から41日目以降
長野県 長野都市ガス 検針日の翌日から31日目以降
愛知県 東邦ガス 検針日の翌日から41日目以降
大阪府 大阪ガス 検針日の翌日から41日目以降
広島県 広島ガス 検針日の翌日から41日目以降
愛媛県 四国ガス 検針日の翌日から41日目以降
福岡県 西部ガス 検針日の翌日から41日目以降

延滞料金が発生するタイミングはガス会社によって様々ですが、検針日の翌日から41日目以降から、発生するところが多いようです。逆を言えば、支払期限日から10日間は延滞料金がかからないので早めに支払いましょう。

延滞料金の計算方法は以下のようになります。

滞納金額1万円(税抜)で、30日間延滞した場合

1万円×0.0274%(延滞日率)×30日=82円

延滞すれば、滞納しているガス料金だけではなく延滞料金も上乗せして払う必要があるので、注意しましょう。

ガスの再開方法とは

万が一ガスが停止されてしまった場合、ガス再開はどのようにしたらいいのかご紹介します。

1. 滞納しているガス料金を支払う
2. ガス会社へ電話をする
3. ガス開栓

1. 滞納しているガス料金を支払う

ガス再開の大前提として、滞納しているガス料金を支払う必要があります。支払わなければならないのは滞納しているガス料金全額と延滞料金。詳しい金額は、再請求書や供給停止予告通知書に記載があるので、それを確認しましょう。滞納しているうちの一部だけ支払いをするというのは認められていません。

支払い方法ですが、通常は、再請求書や供給停止予告通知書に払込用紙が同封されているので、それを使用して金融機関やコンビニで支払いをしましょう。ガス会社によっては各支店の窓口での支払いも可能です。

2. ガス会社へ電話をする

支払いができたらガス会社へ連絡をしましょう。ガス会社によって受付時間が異なるので注意しましょう。主なガス会社の受付時間を以下にご紹介します。

地域 ガス会社 受付時間
北海道 北海道ガス 月~金:9時~19時、土日祝:9時~17時
東京都 東京ガス 月~金:9時~19時、土日祝:9時~17時
長野県 長野都市ガス 月~土:9時~19時、日祝:9時~17時30分
愛知県 東邦ガス 月~金:8時30分~19時(受付は17時まで)、
土日祝:8時30分~17時
大阪府 大阪ガス 月~金:9時~18時、土日祝:9時~16時
広島県 広島ガス 月~金:8時50分~19時、土日祝:8時50分~17時30分
福岡県 西部ガス 月~金:9時~19時、土日祝:9時~17時

特に急いでいる場合は、支払後すぐにガス会社に連絡をしましょう。土日祝日は受付時間が短いので十分注意しましょう。

3. ガス開栓

ガス会社へ電話をした際に、ガス再開日を決めます。

ガスの開栓には基本的には利用者の立ち合いが必要です。住居契約や契約内容によっては立ち合いが不要な場合もあるようですが、基本的には立ち合いが必要だと思っておいた方が良いでしょう。

ガス会社の担当者が訪問し、ガスが漏れていないか、きちんと使用できるかなどを利用者立会いのもと、確認して開栓作業を行います。開栓作業はガス会社の営業時間内に限られるので注意してください。

主なガス会社の営業時間と、ガス再開までにかかる時間をご紹介します。

地域 ガス会社 ガス再開作業可能時間 再開までにかかる時間
北海道 北海道ガス 9時~17時までに電話して相談 最短当日(遅くても翌日)
東京都 東京ガス 月~土:9時~19時、日祝:9時~17時 当日
愛知県 東邦ガス 月~金:9時~19時、土日祝:9時~17時 最短当日(遅くても翌日)
大阪府 大阪ガス 月~金:9時~19時、土日祝:9時~17時 最短当日(遅くても翌日)
広島県 広島ガス 月~土:9時~19時、日祝:9時~17時 最短当日(遅くても翌日)
福岡県 西部ガス 月~土:9時~19時、日祝:9時~17時 最短当日(遅くても翌日)

多くのガス会社が平日だけでなく、土日祝日も対応してくれるので、早ければ当日、遅くても翌日には再開されるようです。急いでいて、当日再開したいという場合は、時間帯に注意しましょう。

またこの開栓時に、ガス会社によっては、開栓手数料がかかる会社もあります。

金額もガス会社によって異なり、1000~3000円が相場で、その場で支払う必要があります。開栓手数料を支払わないと開栓してもらえません。

さらに、ガス会社によっては、ガス開栓時に保証金を求められる場合もあります。保証金は、今後の滞納に備えてガス会社に預ける担保のようなもので、その後とくに滞納しなければ契約解約時に返金されますが、こちらも支払いをしないと開栓してもらえません。

このように滞納によりガスを停止された場合、再開には手間や時間、お金がかかるので、停止になる前にガス料金を支払うようにしましょう。

ガス料金を払えない場合は?

ガスを停止されてしまうと、再開するのに手間と時間、お金がかかるので、停止になる前にガス料金を払った方がいいのはわかっていても、お金がなくて払えないという場合もありますよね?そんな時にどうしたらいいのか、対処法をいくつかご紹介します。

ガス会社に相談をする

一旦ガスを停止されてしまうと、再開の為には、滞納している料金全額を支払う必要があります。

「数か月分滞納しているうちの1ヶ月分払うので再開してほしい」ということはできません。なので、停止される前に、ガス料金が払えない場合は、早めに契約しているガス会社に連絡をしましょう。場合によっては、支払日の延長や、分割払いなどに対応してもらえる可能性もあります。

市区町村に相談する

各自治体によって様々な支援制度があります。

一例ですが、失業などで生活に困っている人が自治体から低金利でお金を借りることが出来る「生活福祉資金貸付制度」という制度では、連帯保証人を立てることができれば無利子、連帯保証人を立てることができなくても年利1.5%という低金利でお金をかりることができるんです。

支給には条件がありますが、当てはまれば低金利でお金を借りることができるので、相談してみましょう。

このほかにも生活保護や、母子父子福祉資金、女性福祉資金など、生活に困った時に利用できる制度がいくつかあるので、これらの支援制度を活用することも考えてみましょう。

お金を借りる

親や兄弟などの身内やカードローンでお金を借りるというのも1つの方法です。

身内に心配をかけるのは嫌だという方は、カードローンがオススメです。
カードローンでお金を借りると利息が高いと思っている方が多いと思いますが、利息0円で借りられるサービスもあるんです。短期間でしたら利息なしでお金を借りることができるので、お給料日前で一時的に金欠という方に特にオススメですよ。

まとめ

ガス料金を滞納すると、都市ガスの場合は支払日から約30日ほどでガスを停止されてしまうようです。ガスの再開には、滞納料金と延滞料金全額を支払う必要があり、また、ガス会社によっては1000~3000円ほどの開栓手数料もかかってしまいます。

そうなる前に、ガス会社に相談するか、お金を借りてガス料金を支払う等対処しましょう。

・ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類がある
・都市ガスの場合、ガス料金は、早くて支払日を20日過ぎると供給停止
・停止の前には「供給停止予告通知書」が届く
・ガス料金は、滞納すると延滞料が発生する
・ガス再開には、滞納料金、延滞料金全額を払う必要がある
ガス再開はガス会社の営業時間内に限る
・ガス再開には開栓手数料がかかる場合がある
・ガス再開時に保証金を払う必要がある場合もある