質屋という店舗があることは知っていても、どんなものを質入れできるのかわからない、利用の仕方が分からない、利息ってどうなっているのかわからない・・・等、よくわからないことが多く、質屋を敬遠している方が多いのではないでしょうか?

しかしながら、使い方が分かれば審査もなく返済も自由な質屋はとっても便利です。そこで、質屋で質入れできるもの、できないものや、利息などについてご紹介します。

質屋とは?

質屋という店舗があることは知っていてもよくわからないという方が多いと思います。そもそも質とはどのようなシステムなのでしょうか?質屋とは、そもそも金融業に属するもので、その歴史は古く700年前から始まったとも言われています。

お金を借りたい人が何かしらの品物を持参し、その品物を担保にして見合った金額を融資してもらうというのが基本的なシステムです。担保にした品物は指定された期限までに借りたお金と利息を返せば取り戻すことができます。

万一、お金が返せない場合は?

お金を返金できなければ預けた担保の品物は質流れといって、品物の所有権は質屋に移ることになります。しかしながら、お金を返せないからといって返済の請求などは一切ありません

つまり質屋は、銀行や消費者金融などでお金を借りるのとは違い、返済できなくなっても品物を失うだけで済むというのが大きなメリットです。

つまり、自分の財力や財産の範囲内でお金を借りることができるシステムで、カードローンなどのように、お金を返すためにさらに別のカードローンでお金を借りるといった自転車操業的に借金を重ねてしまうという心配がありません。

審査の方法は?

質屋では、持ち込んだ品物に対して査定が行われますが、持ち込んだ本人に対する審査はありません。なので、すでに複数の消費者金融からお金を借りていてお金は必要だけどこれ以上、消費者金融は利用できないな、どのように、何らかの事情があって融資を受けることができないという方でも利用することができます。

質入れできるものとできないもの

持ち込んだ品物を担保にお金を貸してくれる質屋ですが、持ち込んだ品物全て質入れできるかというとそうではありません。質入れできるものとできないものがあります。

質入れできるものと言うと、貴金属や宝石、腕時計やブランド品などが思い浮かぶと思いますが、それら以外にも様々なものを取り扱っています。

例えば、ノートパソコンやデジカメ、ゲーム機やDVDといった家電製品や、ギターやトランペットなどの楽器、さらには、ビール券や図書券といった金券などを取り扱っている店舗もあります。

質入れできるものとできないものの違いは何でしょうか?

質入れできるものは、基本的には「価値のあるもの」になります。価値のないポケットティッシュやボールペンなどを持ち込んでもお金を貸してもらうことはできません。

また、たとえ高額で購入した商品であってもいわゆるノーブランドの商品は質入れすることは難しいです。ルイ・ヴィトンやシャネルといった高級ブランド品であれば信頼の価値があるのでそれに見合った査定額を提示することができますが、ノーブランド品には信頼の価値がなく値段が付けにくいため取り扱っていない店舗がほとんどです。

コピー品は質入れできるの?

ブランド品の偽物やコピー品についてはどの質屋でもまず質入れを断られます。ただしこれはあくまでも質屋が鑑定した結果に基づくもので、本物か偽物かわからない場合も質入れを断るので、100%偽物と断定されたわけではありません。

購入時に偽物やコピー品と知らずに質入れを希望しても罪に問われることはありませんが、偽物やコピー品と知っていて質入れをしてお金を借りた場合には商標法違反や詐欺罪で逮捕される可能性もあるので注意しましょう。

質入れできるものは「価値あるもの」つまり、基本的に「高価なもの」と考えるとよいでしょう。具体的に質入れできるもの挙げると以下のような品物になります。

・腕時計
・アクセサリー(指輪、ネックレスなど)
・宝石(ダイヤ、ルビー、サファイヤなど)
・金、プラチナ
・ブランド品(バッグ、財布、小物など)
・記念金貨、外国金貨
・電化製品(カメラ、パソコンなど)
・金券(ビール券、図書券、全国百貨店共通券など)
・楽器(ギター、トランペット、サックスなど)

ブランド品のような完全な状態で価値がある品物の場合、状態が悪いと査定してくれない場合もあります。また、腕時計などは壊れていて動かない場合等も査定してくれません

一方で、片方だけのダイヤのイヤリングや、宝石部分が無い台座だけのプラチナの指輪などは、完全な状態でなくてもそのものの価値があるので査定の対象となります。

ただし、高額で購入した血統書付き犬や猫などのペットや、ヴィンテージ物の高級ワイン、高額な盆栽などといった動植物や食品は質入れできないので注意しましょう。

預かり相場

質屋を利用する際に気になるのが預かり相場かと思います。しかしながら質屋によって強みや査定方針も違うため、預かり相場は質屋によって大きく差があります。なので、質屋を利用する際には、利用を考えている質屋が何に強い質屋なのかを踏まえて比較をするのが良いでしょう。

インターネットで無料査定をしてくれる質屋もあるので、そのような質屋に査定を依頼するというのも一つの方法です。

預かり相場の一応の目安は、「ネットオークションの半分程度」とみておくのが良いでしょう。

利息

質屋を利用する場合に、気にしたほうがいいポイントの一つに利息があります。基本的に質入れする場合には、借りた金額に応じて1ヶ月毎に利息が発生します。質屋が設定できる金利は、質屋営業法によって上限金利が定められており、月利9%となっています。

質屋の場合の利率は年利ではなく月利で表しており、上限金利が月利9%というと低いように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、年利に換算すると109.5%となり、賃金業法に基づいて営業している消費者金融などの上限金利は年利20%となるので、消費者金融と比べてもかなりの高金利であることがわかっていただけるかと思います。

月利9%は上限金利であり、質屋の利息は0.9%~8%が一般的で、年利に換算すると11%~95%と非常に幅があるので、注意が必要です。

支払わないと質流れになります

質屋によっては、利息を日割り計算するところとしないところがあります。日割り計算しないところだと、仮に質入れした翌日であったとしても、1日分ではなく1ヶ月分の利息を支払う必要があります。質流れをなってしまった品物の返却は原則不可となっているので注意しましょう。

元金と利息を払えなければ、保管期限を過ぎて1週間以内には質流れになると考えておきましょう。しかしながら、店舗によっては利息だけ支払えば保管期限を延長してくれるところもあります。

質屋の保管期限は基本3ヶ月間となっています。7月1日に質入れしたとしたら保管期限は10月1日となりますが、10月1日までに1ヶ月分の利息だけでも支払うと、保管期限が1か月間延長され11月1日となります。元金と利息全てを払うことはできないけれど質流れは避けたいという場合には、利息だけ払って保管期限を延ばすことをオススメします。
以上のように質入れする際には、利息や保管期限などにも注意しましょう。

質入れと買取

質屋とは、品物を担保にお金を借りるところとご紹介しましたが、多くの質屋で買取も行っています。買取とはその名からわかる通り品物を売ってしまうことで、同じ品物を質入れする場合と買取の場合を比べると、基本的に買取の方が高値が付きます。

質入れと買取で査定方法に違いはなく、質入れの場合は、買取査定額から2割程度差し引いた金額を借りることができるようです。品物を手放してもいいから少しでも高い金額が手元に必要という方は、買取も検討してみましょう。

質入れの流れ

質屋を利用する際の流れをご紹介します。質入れといっても何も難しいことはありません。

1. 品物の金額を査定してもらう

品物をもって店舗に行き、質入れしたい旨をお店の方に伝えましょう。その場で査定スタッフが査定をしてくれます。来店するのに予約の必要はありません。ただし品物の数が多かったり高額品の場合には事前に連絡をすると手続きがスムーズになります。

査定金額に納得できなければ質入れせずに品物を持ち帰って構いません

2. 必要書類の記入、提示

申込書類に氏名や住所などを記入します。また本人確認のために、運転免許証や健康保険証、パスポート、学生証、外国人登録証などの公的な身分証明書の提示が求められます

身分証明書として認められる書類は質屋によって異なるので、事前にどの書類が該当するのかチェックしておきましょう。18歳未満の場合には法律上取引不可となっています。

3. 現金と質札を受け取る

査定額の現金をその場で受け取ります。また、質入れした品物の詳細や、借入や返済の詳細を記載した「質札」も渡されます。支払いや品物の受取りの際に必要となるので紛失しないように保管しましょう。

4. 支払い

預けた品物を返して欲しい場合には、元金と利息を返済します。基本的には来店支払いですが、銀行振込に対応している質屋もあります。質札を持っていけば本人以外の方が来店して支払うことも可能です。

5. 出質

元金と利息をすべて支払うと預けた品物を返却(出質)してもらえます。出質の際には本人確認書類も必要です。保管期限内に支払えない場合には品物は質屋のものとなります(質流れ)。

まとめ

質屋は品物を担保にお金を貸してくれるお店です。担保にした品物は指定された期限までに借りたお金と利息を返せば取り戻すことができます。もしお金を返金できなければ預けた担保の品物は質流れといって、品物は質屋のものになりますが、お金を返せないからといって返済の請求などは一切ありません。

また、質屋では、持ち込んだ品物に対して査定が行われますが、持ち込んだ本人に対する審査はないため、ブラックリスト入していて消費者金融でお金が借りられないなんて方でも利用することが可能です。

質入れの際に必要な書類は本人確認書類のみとなっており、18歳以上であればだれでも利用することができるので、お金が必要になった場合の借入先として質屋も考えてみてはいかがでしょうか。

・質屋は品物を担保にお金を貸してくれる
・元金と利息を払えば品物を返却してくれる
・お金を返せない場合、品物は質屋のものになる(質流れ)
返済の請求などは一切ない
・利息は月利で0.9%~8%
・利息は日割り計算してくれない質屋もある
保管期限は基本的に3ヶ月
必要書類は本人確認書類のみ
・毎月返済は不要