伊勢丹や三越、高島屋などのデパートをよく利用するという方も多いかと思います。デパートをよく利用される方は、デパートのクレジットカードでお買い物をされる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんなデパートのクレジットカードの中でも、外商カードというカードがあるのをご存知ですか?

デパートにおけるお得意様に発行されるカードのことなんです。そんな外商カードとは、どのようなカードで、外商カードを取得するためにはどのような条件があるかについてご紹介します。

外商とは?

外商という言葉を聞いたことがありますか?伊勢丹や三越、高島屋などのデパートには必ず外商部門という部門があります。外商とは、デパートなどにおいて店舗外で外商担当者 (営業マン)によって行われる販売のことを言います。

一般的にはデパートに来てもらうのではなく、外商担当者がお客の自宅まで訪問して商品を販売するという、言わば御用聞きのような商売をしています。

そして、その外商担当者が付いているお客向けのクレジットカードのことを外商カードと言います。

2008年に伊勢丹と経営統合した三越では、外商カードのことを三越お帳場/お得意様CARDと呼んでいました。

お帳場とは?

「お帳場」とは、上顧客に対して行っていた後日一括払いの売掛け商売(つけ払い)の名残で、その伝票を管理する場を「帳場」と呼んでいたことが語源となっています。

後でも詳しく説明しますが、つけ払いとはつまりは信用を基にした商売であり、現在の外商も信用が基になっています。そのため現在でも外商回しで依頼をすれば自宅や指定先へ商品を納品してもらい後日代金を支払うことも可能です。

外商カードの特典

では、そんな外商カードにはどのような特典があるのでしょうか?

伊勢丹のクレジットカードは、エムアイカードと呼ばれています。では、エムアイカードと外商カードにはどのような違いがあるのでしょうか?

見た目が違います

エムアイカードには一般カードとゴールドカードの2種類があります。一般のカードはシルバー色、ゴールドカードはゴールド色となっています。一方で外商カードは赤色になっています。

後で詳しくご説明しますが、外商カードを持つためには一定の条件があります。そのためなかなかこの赤色カードを目にすることはないのではないでしょうか。

では次にカードの特典はどのようになっているのでしょうか?エムアイカードの特典には下記のようなものがあります。

① 店頭割引・・・前年度の購入実績に基づき「5%、7%、8%、10%」
② ポイント・・・お買い物の金額ごとにポイントがたまる。
③ その他
・お得意様サロンを利用できる
・駐車場無料
・展示会のチケットが無料で入手できる
・レアな商品を入手することができる
・担当外商による各種サービス など

①の店頭割引や②のポイント制度については、全カード共通の特典となります。

一般的なエムアイカードと外商カードの特典の大きな違いは、③のその他の部分になります。

伊勢丹では「お得意様サロン」というラウンジが用意されており、外商カードを提示すると、お買い物のために休憩できる場所にソファなどが用意されており、ドリンクなどをいただきながら休憩することができます。一部の店舗ではエムアイカードのゴールドカード会員や一般会員で年間購入金額が一定額以上の方でも利用ができるようです。

駐車場の無料券がもらえます

次にこちらも店舗によって異なるのですが、駐車場料金の無料特典を受けることができます。外商カードをお持ちの方ですと、外商担当が自宅にお伺いすることが多いので店舗に足を運ばれることは少ないかもしれませんが、1時間や2時間といった短時間ではなく、長時間の駐車料金が無料となる店舗が多いようです。

また、外商担当者はあいさつがわりに定期的に家を訪問することもよくあります。その際に百貨店で行われている展示会のチケットを持ってきてくれたりすることが多く、それらのチケットを無料でいただくことがあります。

さらには、通常ですと店頭で売られていないような商品であっても、外商担当者にお願いをすると入手することもできます。

外商カードの特典はさまざまです

これらのサービスは担当外商が常駐する店舗独自のサービスとなっており、各店舗によって内容が異なります。また、同店舗の外商客であっても年間利用金額などの顧客レベルによって提供されるサービスの質や内容は異なるようです。なので外商カードの特典を一概にまとめることはできないのですが、外商カードをもっていると様々なサービスを受けることができるというのはわかっていただけたかと思います。

その他のメリットとして、「カード利用枠を大幅に超えた決済も可能」というのがあります。外商担当は各々がエムアイカード専用端末へのアクセス権を持っており、一時的に利用枠を増枠する権限を与えられているんです。

初期設定の利用枠はあまり関係がなく、これまでのお付き合いにおける個人の信用を基に取引が可能となっています。

割引率のアップの可能性も・・

さらには上記でカード特典として割引率についてご紹介しましたが、実はこの割引率も、一般的には10%までしか明示されていませんが、実際には物や金額によっては10%以上のゾーンも存在します。つまり店舗(外商担当)との日ごろの付き合い(信頼関係)で割引率といったカードのスペックの幅も広がることになります。

つまりは、外商カードというのは言わば会員証のような位置づけで、実際には会員の顔(信用)で取引をすると言えます。このような意味においても外商カードは特別なカードと言えます。

外商カードをゲットするための条件とは

では、そんな特別な外商カードをゲットするにはどうしたらいいのでしょうか?

外商カードをゲットするには以下の2つの方法があると言われています。

1. 伊勢丹が定めた年間利用金額以上の買い物をする + 一定の年収以上
2. すでに外商が付いている人からの紹介 + 一定の年収以上

外商カードを手に入れるためには、まずは伊勢丹のクレジットカードに入会しなければなりません。そうしないと、いくらお買い物したのか伊勢丹側が把握することができません。なので、まずは伊勢丹のクレジットカード、エムアイカードに入会します。

次に気になるのは年間利用金額ですよね。一体どのくらい1年間に買い物をすればいいのでしょうか?実は、残念ながら伊勢丹が定めている年間利用金額というのははっきりと明示されているわけではありません。また、店舗によっても定められている金額が異なっているようです。

目安の金額とは?

とは言え目安は知りたいですよね。

一般的には、都心の店舗であれば1000万円以上、地方の店舗であれば200万円以上が目安と言われています。年間1000万円以上というのはかなりの高額なので、都心にお住いの場合、なかなか現実的ではないと思う方が多いかと思いますが、実際には年間100万円~300万円程度で大丈夫なようです。

外商カードを持つためには年間利用金額を満たせばいいだけではありません。年収についても調査があります。こちらの基準も明確にされているわけではありませんが、年収はおおよそ1000万円以上必要だと言われています

また、申し込む方法ですが、自分から外商カードを申し込むという方法もなくはありませんが、基本的には百貨店側からの招待となるようです。

重要なのは、伊勢丹での利用金額です

年間利用金額は、エムアイカードの決済額が基準を超えればいいというわけではありません。エムアイカードはクレジットカードなので、様々な料金の支払いに使えます。しかしながら重要なのは、伊勢丹での利用金額になります。

伊勢丹以外のお買い物で決済額を増やしても、伊勢丹での利用額が少ないとあまり意味がありません。外商カードを持つ(外商担当が付く)ということは伊勢丹にとって上顧客とみなされる必要があるということになります。

しかしながら、超高額商品を購入する必要があるわけではありません。高い物を無理に買わなくても1万円~10万円位ものを何度も買うというように、実績を作っていくことが大切です。通常のお買い物の他にも、お中元やお歳暮などを購入するということも大切です。

外商カードをゲットするには、持っている人からの紹介が早い!

とは言え、年収が1000万以上、年間利用金額が300万円程度となるとかなりハードルが高いですよね。仮に年間利用金額や年収の条件をクリアできたとしても、必ず外商カードがもらえるというわけではなく、基本的には百貨店側からの招待なので、これだといつ外商カードをゲットできるかわかりません。

そこで、ご紹介するのがもう一つの方法です。

その方法というのが、すでに外商カードをお持ちの知人から紹介してもらうという方法です。知人からの紹介ですと、すぐに外商カードをもらえるようです。

ただし、紹介の場合であっても年収は調査され、1の方法と同じく最低でも1000万円以上は必要となります。また、年間利用金額以上の買い物もする必要があります。しかしながらこちらの場合の年間利用金額は、30万円以上で大丈夫なようです。

外商と言うのは上記でご紹介したように信用を基にした取引なので、すでに外商カードをお持ちの方からの紹介であればすでに信用があるので、このように条件面ではハードルが下がるようです。

親が持っている場合、子供も持つことができます

実はもう一つ方法があります。一般的なクレジットカードと同じように、もし親が外商カードを持っている場合は、子供も外商カードを持つことができるんです。ご両親が外商カードをお持ちであればすぐに外商カードをゲットできます

外商カードをゲットする方法をご紹介しましたが、外商カードというのは簡単にゲットできるものではありません。しかしながらだからこそ、外商カードを持っている方は様々なサービスを受けることができるとも言えます。

まとめ

伊勢丹や三越、高島屋などのデパートには必ず外商部門という部門があり、デパートに足を運んでもらうのではなく、外商担当者(営業マン)がお客の自宅まで訪問して商品を販売するという、御用聞きのような商売をしています。

デパートのクレジットカードの中でも、外商担当者が付いているお客向けのクレジットカードのことを外商カードと言い、一般のクレジットカードの特典はもちろんのこと、外商カード専用の特典を受けることができます。

外商サービスとは信用を基にした取引のためそれなりの高い基準がありますが、その反面様々なサービスを受けることができるようになっています。そんなお得なサービスをご利用されたい方は、紹介した方法で外商カードをゲットしてみてください。

・外商とは御用聞きのような商売
・外商とは外商担当者(営業マン)が自宅を訪問して商品を販売
・外商担当者が付いているお客向けクレジットカードを外商カードと言う
外商カードを持つには一定の条件がある
・外商カードを持つには、年収は1000万円以上
・外商カードを持つには、年間利用金額は300万円程度必要
・年間利用金額の基準は店舗によっても違う
・外商カードを持つには、すでに持っている知人からの紹介が早い
・親が外商カードを持っていれば子供も持つことができる
・顧客レベルによって提供されるサービスの質や内容は異なる
・外商カードを持っていると、カード利用枠を大幅に超えた決済も可能